憎まれ口が恋しいなんて、呆れたものだと思う

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 青い薔薇の模様が入った薄い陶器に、手順を守った紅茶を一杯。壁一面の硝子越しに、咲き乱れる薔薇園を楽しみながら、ハイネの詩集をめくる音が、静寂に沁みこむ。美しい想いや言葉に意識を浸らせて、午後の陽射しにまどろみ目を細める。鳥が一羽、青く輝く空を横切っていった。
「……重症、だよね」
 菫の押し花の栞を挟んで、白い丸テーブルに預ける。一際丁寧に入れたはずの今日の紅茶は、飲みきられることなく生ぬるい室温に冷めてしまう。
「静か過ぎるなんて、思ったこともなかったのになあ」
 穏やかなひとときすら、君の声がなければ。



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